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このwikiは魔女クレの非公式wikiです。 【公式】:http //colopl.co.jp/majyokure/sp/? イベント一覧 イベント名 開始日時 終了予定 タイムアタック! 9月13日 9月16日(予定) 【イベント一覧の編集】 メンテナンス&アップデート情報 不明 ※当wikiは非公式の攻略wikiです。情報の妥当性や正確性について保証するものではなく、一切の責任を負いかねます。
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マ:『半日程度ならまぁ、なんとかな・・・。 しかし何で俺に頼むんだ? ・・・そうか。 うう~む。わかった。それじゃまたな。』 俺は電話を切った。 マ:「ふぅ。」 軽く息を吐き居間に戻る。 蒼星石は居間のソファの上で本を読んでいた。料理の本だ。 俺は蒼星石の後ろに回り本を覗く。 チンジャオロースの作り方のページだった。 いつか作ってくれるんかな。これは楽しみですな。 マ:「なぁ、蒼星石。」 俺はそのまま後ろから呼びかける。 蒼:「なに、マスター?」 蒼星石は本から目を離し、振り返ってくれた。 マ:「赤ちゃん好きか?」 蒼:「え?」 俺は黙って蒼星石の顔を覗き込む。 蒼:「あ、うん。赤ちゃん、好きだけど・・・。」 俺の急な問いかけに蒼星石は困惑気味のようだ。 マ:「そりゃ、良かった。」 俺はそう言うとソファに座ってテレビを点ける。 蒼星石はますます訳がわからないといった表情になる。 蒼:「マスター、赤ちゃんがどうかしたの・・・?」 マ:「実はなぁ、ベビーシッターを頼まれちゃったんだよ。」 蒼:「ベビーシッター・・・?」 マ:「俺の友人の赤ちゃんなんだが、その友人の都合で今度の土曜にウチで預かることになってなぁ。」 蒼:「赤ちゃんを・・・?」 マ:「まぁ、預かるのは半日だけだから。」 蒼:「赤ちゃんが、ウチにくるの?」 マ:「ああ。」 蒼:「赤ちゃん・・・。」 蒼星石の表情が綻び、目が輝きだした。 どうやら赤ちゃん、本当に好きみたいだな。引き受けて良かった。 マ:「蒼星石は赤ちゃんのお世話したことあるか? 俺は無いんだが。」 蒼:「赤ちゃんのお世話は、僕もないなぁ・・・。」 マ:「さよか。じゃあちょっと色々と調べたりとかしないとな。」 蒼:「うんっ。」 蒼星石が張り切っている。 蒼:「あ、あの、マスター。」 マ:「どした?」 蒼:「恥ずかしいんだけど・・・僕・・・。」 マ:「我慢してくれ。ほ~らよ~しよし。」 蒼:「うう・・・。」 蒼星石を赤ん坊に見立てて抱っこしてゆする俺。 マ:「ベロベロバ~!」 蒼:「うう、僕は赤ちゃんじゃないよぉ・・・。」 マ:「わかってるって。あくまで『練習』な。」 蒼星石はその大きさから赤ん坊役にぴったりだ。 蒼:「うう・・。」 俺は引き続き蒼星石をあやす。 こんな感じかな、抱き方は。 マ:「じゃ、次はオシメ取り替えましょうね~。」 蒼:「えぇ!?」 テーブルの上に蒼星石を仰向けに寝かせる俺。 蒼:「だ、駄目! マスター!」 蒼星石が目をつぶりながら激しくイヤイヤをする。 俺は蒼星石から手を離し、一歩下がる。 蒼:「いやだ! ぼ、僕はちゃんと・・・!」 俺はさらに離れてジ~っと蒼星石を見やる。 蒼:「こ、心の準備とかもできてないし・・・!」 ・・・・。 俺が何もせず、ただ眺めているだけなのに全く気付かない蒼星石。 マ:「あの~。」 蒼:「あ、あれ・・・?」 蒼星石がやっと俺の呆れ顔に気付いた。 マ:「おいおい、本当にやるわけないだろ。 軽い冗談のつもりだったんだけど。」 蒼:「あ、あぅぅ・・。」 もう蒼星石の顔は真っ赤っかだ。 マ:「心の準備、できるの?」 蒼:「ばかぁ!」 この後、蒼星石の機嫌を直すのに追われ、二度と赤ちゃん役はしてくれなかった。 んで、土曜日、朝の自宅前にて。 マ:「んじゃ、いってらっしゃい。気をつけてな~。」 赤ん坊とオムツやら何やらを託され、俺は友人を見送った。 俺は腕の中の赤ん坊を見やる。生後七ヶ月の元気な女の子だ。 友人曰く、全く人見知りしないらしい。 赤ん坊はキャッキャと何が面白いのか喜んでる。 本当に人見知りしない子だな・・・。 俺は玄関の扉を開ける。 マ:「蒼星石~、 赤ちゃんだぞ~。」 朝から赤ちゃんに会いたくてウズウズしてたからな。 蒼星石が俺の元に駆け寄ってきた。 俺は屈んで蒼星石に赤ん坊がよく見えるようにする。 蒼:「あいちゃん、いらっしゃい。初めましてっ。」 赤ん坊に挨拶する蒼星石。赤ん坊の名前は事前に伝えていた。 あ:「ぶ、ばぶっぶ。」 あいちゃんも蒼星石に挨拶しているようだ。 蒼:「か、可愛いね、マスター。」 赤ん坊の仕草に蒼星石は興奮気味だ。 マ:「居間に移動しよう。」 居間に移り、俺はあいちゃんを赤ん坊用の籠に横たえる。 蒼:「可愛いなぁ・・・。」 ・・・・・。 俺と蒼星石は赤ん坊の顔をしげしげと長いこと眺める。 マ:「赤ん坊の顔は見飽きないっていうけど本当だな。」 蒼:「うん。」 マ:「蒼星石、赤ちゃん、抱っこしてみるか?」 蒼:「僕が・・・? 大丈夫かな。」 身長80cmほどの蒼星石にとっては確かに不安があるかもしれない。 マ:「俺も手伝うから大丈夫だよ。」 蒼:「でも、抱っこって、どうすればいいのかな?」 いつも抱っこされる側の蒼星石は、抱っこする側の心得が無いらしい。 マ:「ん~、首に負担を掛けないように注意かな。本に書いてあった通りに抱けば大丈夫だよ。」 蒼:「う、うん。」 マ:「緊張せず、リラックスしてな。 抱いてる側がリラックスしてないと赤ちゃんもリラックスできないって本に書いてたし。」 蒼:「うん。」 そして、俺は蒼星石にそうっと赤ん坊を託す。 蒼:「・・・。」 リラックスしろと言ったのだが、蒼星石は真剣な表情だった。 蒼星石は赤ん坊を抱きかかえる。 あ:「ばぶぶ・・・。」 俺は赤ん坊がずり落ちないよう両手で補助をしたが 蒼:「あ、やっぱりちょっと怖いや。落としちゃいそう、マスター。」 蒼星石が俺に無理だと目でも訴えかける。 俺は蒼星石から赤ん坊を受け取った。 マ:「ふむ・・・。」 蒼:「僕、やっぱり、小さいからうまく抱っこできないよ・・・。」 う~む。 マ:「じゃあ蒼星石、座りながら抱っこしてみよう。 ソファーの背もたれまで腰掛けて。」 蒼:「え? うん。」 蒼星石は言われた通りソファーの背もたれまで深く腰掛ける。 マ:「じゃ、膝に赤ちゃん乗せるからな。」 これなら赤ん坊を落とす心配もない。 俺はそうっと赤ちゃんを蒼星石の膝に乗せる。 蒼:「・・・・。」 再び緊張の面持ちになる蒼星石。 マ:「そんな強張らないでいいから、リラックスして・・。」 それでも蒼星石は恐る恐る赤ん坊を抱き抱える。 マ:「重くない? 大丈夫か?」 蒼:「ちょっと重たいけど、今度は大丈夫。」 ついに蒼星石は赤ん坊を抱っこすることができた。 蒼:「柔らかい・・・。あと、とてもいい匂いがする・・・。」 赤ん坊特有の乳臭さだな。 あいちゃんは蒼星石の腕の中で大人しくしてくれている。 蒼:「・・・・。」 蒼星石は感無量といった感じだ。もう緊張もしてないようだ。 やがて、赤ん坊を抱く蒼星石の表情がとても穏やかで、目は優しいものになっていることに気がついた。 まるで、聖母のような・・・。 蒼星石のこんな表情を見るのは初めてだった。 俺は、何か神聖なものを見ているような気がした。 マ:「・・・・。」 蒼:「・・・赤ちゃんを抱っこできて、とても嬉しい。僕、憧れてたから。ありがとう、マスター。」 マ:「え、あ、うん。」 我に返る俺。 蒼:「赤ちゃんがくたびれるといけないから、そろそろ籠に戻そうよ。」 マ:「あ。ああ、そうだな。」 友人から渡されたメモに目を走らす。そろそろ授乳の時間だ。 マ:「蒼星石、粉ミルクからミルク作れる?」 蒼:「うん、一応作り方調べたけど。」 マ:「作ってみたい?」 蒼:「うん。」 マ:「んじゃ、任せるよ。」 蒼星石はさっそく用意に取り掛かった。 蒼:「どうかな? マスター。」 マ:「どれどれ。」 俺は哺乳瓶を受け取り、育児の本に目を通しながら確認する。 哺乳瓶の消毒は済ませてある。 粉ミルクも完全に溶けてるな。 ミルクを少し垂らして温度を確認。うむ、適温だ。 マ:「OKですな。」 蒼:「ふぅ、真紅の飲む紅茶を淹れるときよりも数倍神経を使ったよ。」 マ:「はは、お疲れ様。」 俺は赤ん坊を膝に抱えミルクを飲ませる。 ゴク、ゴク、ゴク・・・ 蒼:「わぁ、よく飲んでるね。」 蒼星石も自分の作ったミルクを美味しそうに飲む赤ん坊を見て嬉しそうだ。 マ:「お腹空いてたんだな。」 授乳が終わり、げっぷをさせようとするが マ:「なかなかげっぷしないな・・・。」 俺は赤ん坊の背中をさする。 しないときは無理にさせず、寝かせておいてもいいそうだが・・・。 あ:「けぷ・・・。」 蒼:「あ、今したね。」 マ:「ふむ。」 やがて、オシメの交換になった。 俺がオシメを取り除くと蒼星石が汚れをふき取る。 マ:「え~と、こうか?」 新しいオシメを履かせたいのだが、うまい具合にいかない。 うう~む、ここを留めるのかな? なかなか難しい。 蒼:「こうじゃないかな?」 マ:「あ、そうだ。よく知ってるな、蒼星石。」 蒼:「ふふ、勉強したからね。」 その後も俺と蒼星石は甲斐甲斐しく世話を焼いた。 それから一時間後。 赤ん坊は敷き布団の上ですやすやと眠っている。 赤ん坊の寝顔も蒼星石には興味津々のようで、飽きることなくそれを眺めていた。 そして、さらにしばらくした後、蒼星石が俺の元にくる。 蒼:「あいちゃん、あと少しで帰っちゃうんだよね。」 俺は時計を見る。 マ:「ああ、あと30分もすれば迎えがくるな。」 蒼:「そう・・。」 マ:「淋しいか?」 蒼:「うん・・・。」 すっかり情が移ってしまったようだな。 その時、玄関のチャイムが鳴った。 マ:「む。」 インターホンに出ると、赤ん坊を預けた友人だった。 予定より早く帰れたらしい。 マ:「蒼星石、赤ん坊の迎えきちゃったよ。」 蒼:「・・・・。」 突然の、予定より早い赤ん坊とのお別れに蒼星石は少しショックのようだ。 俺は友人に少しだけ待っててもらうようインターホンで頼んだ。 俺と蒼星石は赤ん坊の方へ向かう。 赤ん坊は先ほどと少しも変わらず眠っていた。 蒼:「・・・・。」 蒼星石は食い入るように赤ん坊を見つめる。 マ:「もう、いいかい?」 蒼:「うん・・・。」 俺は赤ん坊を起こさないよう、そうっと抱き上げた。 蒼:「マスター、あの・・。」 マ:「ん?」 蒼:「ううん、なんでもない・・。」 マ:「・・・・。」 俺は赤ん坊を抱いたまま蒼星石の前でゆっくり両膝を床に着き、姿勢を低くした。 マ:「蒼星石、両手を差し出して。」 蒼:「僕は、ソファーに座りながらじゃないと抱っこできないよ?」 マ:「大丈夫だから。」 俺が力強く言うと、蒼星石は両手を差し出した。 俺は蒼星石の両腕に赤ん坊を乗せる。 もちろん蒼星石だけでは支えきれないから俺はそのまま手を離さない。 マ:「もっと、寄り添って。」 俺と蒼星石が両手で赤ん坊を支え、挟んでいる形になる。 マ:「短い時間だったけど、この子は俺と蒼星石に育てられたわけだな。俺達の子供だ。」 友人に聞かれたらどう思うだろう。まぁ、あいつならわかってくれるさ。 蒼:「僕たちの子供・・・?」 マ:「ああ。でももう本当のお父さんお母さんの所へ帰っちゃうけどな。 でも俺達が育てた事実は消えない。俺達の子供だ。」 蒼:「・・・。」 蒼星石は赤ん坊を見つめる。そして、俺に顔を向ける。 蒼:「わかったよ、マスター。」 そう言いながら蒼星石がふっと笑ってくれた。 俺の突拍子のないタワゴトを笑ってくれたんだろうか、それとも・・・。 蒼:「・・・マスター、はやくしないとお友達の人が待ってるよ。」 マ:「そうだな。」 そうして、あいちゃんは親御さんのところへ帰っていった。 しかし、手の掛からない子だったなぁ。 もしかしたらそれを見越して俺に預けたのかもしれないな。 そんな風に思いながら居間でくつろいでると蒼星石がやってきた。 俺に何かを言いたそうだが、口ごもってる。 んん? マ:「どしたの?」 意を決したように蒼星石は言った。 蒼:「僕は赤ちゃんを産めないけど、マスターは赤ちゃん欲しい、かな?」 俺はドキリとする。 ついにきたか、この質問。いつかされるんではないかとうっすら思っていた。 マ:「いや・・・別に欲しくないよ。」 もし、欲しいって言ったら蒼星石はどう思うだろうか。 ろくでもない結果になりそうな気がする。 蒼:「僕に気を遣ってないかな?」 マ:「遣ってないよ。」 蒼:「本当?」 マ:「本当に本当。」 蒼:「本当に赤ちゃん欲しくないの?」 マ:「欲しくないね~。」 蒼:「マスター、あいちゃんをあんなに抱っこして可愛がってたのに?」 どんなにしつこく聞かれても、怒ってはいけない。これは怒ってはいけない質問だ。 マ:「あらあら、蒼星石さん、赤ちゃんに嫉妬ですか?」 蒼:「え、・・そ、そんなことないよ!」 マ:「しょうがないな~、蒼星石は!」 俺は蒼星石を無理矢理抱っこする。 マ:「ほらほら、よしよしよし。」 蒼:「や、やめてよ。こんな抱っこは嫌いだよ。」 俺の急なリアクションに蒼星石は戸惑った。 俺はそのまま蒼星石の耳元で囁く。 マ:「君がいるだけで俺は充分なんだよ。本当に。」 蒼:「! マスター・・・。」 別に子供を残せなくてもいい。 俺が君の記憶に色んな思い出を残せるならば、俺はそれで充分だ。 マ:「それに、子供は蒼星石一人で手一杯だしな~!」 と俺は急におどけた声を出した。 蒼:「マスター?」 マ:「蒼星石は俺に言わせればまだまだガキンチョだからね~。 だから他に子供なんていらないや。アッハッハ!」 呆気にとられる蒼星石だったが 蒼:「もう、マスター! ・・・マスター、ありがとう・・・。」 永遠の恋人が俺を抱き締め返してくれた。 終わり
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翠星石と蒼星石のお騒がせラジオ(前編) 翠星石と蒼星石のお騒がせラジオ(後編)
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LV0 蒼星石?どうせただの第4ドールだろ?どうでもいいよ… LV1 絵はあんまり萌えアニメっぽくないな。ってか梅岡は何で出てくんの? LV2 髪型は綺麗だな。翠星石もツンデレだし結構いいかも。 LV3 蒼星石って女神じゃね?理想の嫁って感じ・・・ LV4 信頼度微の蒼星石ってかわいいな。Sなところもいい・・・ LV5 梅岡って嫁宣言するたびに出てきてうぜぇ。梅岡死ね! LV6 梅岡結婚してくれ! LV7 やべぇ蒼星石最高!蒼星石と水さえあれば生きていける! LV8 蒼星石と結婚した!俺は蒼星石と結婚したぞ!! LV9 やっぱ蒼星石は最高だわ MAX 蒼星石とちゅっちゅしたいよぉ~
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暑い。布団の上で寝ている俺に、そういった印象を今の季節が感じさせる。まだ6月中旬だが、ずいぶん暑い。 去年もこれぐらい暑かったのか、と考えているうちに目が完全に覚める。それでもまだ半覚醒である脳は、我が体に本能的に時計を見るよう指示をする。 それに俺の体は、人間に必死にこびる犬のように従順に動く。見ると時計の針は10時を過ぎていた。8時には蒼星石が必ず起こしにきてくれるはずだ。 俺は時計の電池がないとか、針を見間違えたなど考えながら時計をにらんでいたがどう見ても10時だった。 ふと蒼星石が眠っている鞄があるはずの方向に目をやる。 「あれ・・・?」 俺は意識もしないのにつぶやく。なぜなら、あるはずの鞄がそこにはないからだ。 蒼星石がついに、俺のイビキと寝相の悪さに愛想を尽かし、鞄の位置を変えたのかと思いつつも居間へと赴く。 しかし居間にも台所にも、帽子をかぶった小さく愛らしい人影は見ることができなかった。どうしたものかと、俺はPCの電源ボタンに指をかけた瞬間、聞きなれたガラスの破裂音が轟く。 それはほかでもない、蒼星石の双子の姉である翠星石だった。 「呼ばれて飛び出て以下略ですぅ」 いつものように理不尽な言い訳(?)を吐きながら鞄から這い出してくる。 「なあ、翠星石。」 俺はかつてない胸騒ぎを感じ、質問することにした。 「蒼星石を・・・知らないか?」 その問いかけにワラジムシを見るような目で"遂に狂ったですこのイカレポンチ"的な波動を俺に感じさせる翠星石。 「蒼星石・・誰ですか、それは」 「誰って、お前の双子の妹だろ。第四ドールの・・・」 「第四?第四ドールは真紅ですぅ。それに翠星石には双子の妹なんていないですぅ」 馬鹿な。第四ドールは蒼星石のはず。それがなぜ存在しないことになっているんだ。 そうか、わかったぞ。みんなで蒼星石を隠して俺を驚かす、そう、ドッキリカメラでもやるつもりなのだろう。 「んなわけねーです。本当に知らないんですぅ。」 「ならなんでお前がここにいる?蒼星石が居なくちゃ、ここにいる意味もないだろう?」 「年若くしてボケが回ってるんですか!?いいです、翠星石が親切に存在意義を唱えてやるです」 そう言われ、俺は数十分ほど翠星石の話を聞かされた。 聞いた話によるところ、翠星石のマスター(仮にA)と俺は親しい友人関係にあって、以前Aが翠星石をつれて俺の家に遊びにきたとき以来、翠星石はちょこちょこ俺が自殺しないように(おそらく建前)窓ガラスをぶち破って訪問している。 「何だ、何かわけがわからない。お前のマスターとは会ったことはあるが、親しい友人でもなんでもないぞ。」 「まったく、昨日が何月であったさえ忘れているようなレベルのボケですぅ。 ・・・気分が害されたです。今日はこれで勘弁してやるです」 そういい切った後、翠星石はさっさと鞄に乗り込んで、生存していたもう片方のガラスをぶち破って帰っていった。 その日、俺はこれまでにない倦怠感に襲われ、植物人間の如くずーっと寝そべっていた。たとえるなら昨日まで元気だったパソコンがHDDごとぶっ壊れた感じだ。 しかし、そんな俺でも腹がすく。何かを作ろうと冷蔵庫の調査をすることにした。 冷蔵庫を開け、肉が保管されているチルド室を見てみる。そこには蒼星石御用達の肉屋から買ってきたレバーがあった。 何か急に懐かしくなり、そのレバーの入ったパックを手にとる。なぜかパックのビニール面にメモが張られていた。 "後ろを振り向くとお前は"とある。その先は俺の指で隠れていて見ることはできない。何も感じなかった俺は指をメモの上から外した。 そこには・・・ と、俺はその文字を垣間見る前に後ろに何者かが居る気配を感じ取った。思考に左右されず、本能が勝手に俺の体を振り向かせる。 「ど、どうしたの、マスター?鬼気せまるような表情だったけど・・・」 栗色のショートヘアをなびかせ、両腕で猫を抱えている彼女は少々困惑しつつも、俺の目をしっかりと見ている。 彼女、そう。蒼星石は今、俺の目の前に存在している。うれしさと驚きが心の中で水と油のようにせめぎあう。 「マスター、顔色悪いよ?貧血気味なの?」 と蒼星石は貧血気味だと俺の健康状態を決め付ける。そしてそれに付け込むかのように片手にぶら下がっていたスーパーの袋から、レバーのパックを披露する。 「今日はマスターの好きなレバニラ炒めだよ」 蒼星石は楽しそうに言うが、どうやら助詞の使い方を間違えている。「は」ではなく「も」だ。なぜなら昨日もおとといもレバニラ 炒めだったからだ。そんな俺をよそに蒼星石はさっさと調理をはじめる。 「あ、そうだマスター。」 「んあ?」 「心配してくれてありがとう」 そう言うと蒼星石は再び顔を背けて調理の続きをする。しばらく脳で情報処理をしていたが、結果、やはり今回のことはドッキリカメラに近い何かということが判明した。 結局その後から蒼星石のいるいつもの日常に戻った。普段はなんとも思わなかったが蒼星石という存在の大きさを思い知らされた1日であった。
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皆何処まで耐え切れるかな タイトル「脱ぎ脱ぎ蒼星石」 「暑いよ、蒼星石」 「暑いですね、マスター」 今は夏。暑い日差しがガンガン差し込み部屋の温度を上げていく。 近くに留まっているのか、蝉の声がいつもより喧しい。 「今何度?」 「えーっと・・・34度です・・・」 くそぅ、忌々しい太陽め。馬鹿な太陽・・・おバカSUN。 思いついた下らない駄洒落に一人で笑いを堪える。横で蒼星石が不思議そうな顔で見つめてきた。 大して面白くも無い駄洒落にも笑えるのはきっと暑さのせいだろう。 室内の温度は34℃。無理も無い。6畳一部屋で窓一つのアパートに二人もいるのだ。 「蒼星石、すまないな。お前にまで暑い思いさせちゃって」 学生なので贅沢な暮らしはできない。クーラーなど夢のまた夢、扇風機ぐらいなら買えそうだがスペースが無い。 つまりは団扇で我慢しろという事なのだが、扇ぐとその分の反動で余計に暑くなる。 残る手段は昔から言われている「心頭滅却すれば火もまた涼し」だが、そんな事できればクーラーなど発明されず 今深刻な地球温暖化などで世界中の偉い人達が頭を抱えたりはしないのだ。 以前ならこの時期はパンツ一丁が当たり前なのだが、蒼星石がいるためそれは控えている。 仮にも女の子な為、どんな反応されるか大体予想はつくしな・・・。 時刻は丁度正午。ここを乗り切れば幾分か楽になる。ここが正念場だ。蝉の声が一段と五月蝿くなる。 二人とも狭い部屋で一言も話さずにじっとしている。ふと蒼星石の方を見る。 汗はかいていないが、暑さのせいだろうか頬が紅潮している。 「ふぅ」と少し艶っぽいような蒼星石の溜め息が聞こえる度、俺はナニかを必死に抑えていた。 「蒼星石。お前は女の子だからこう暑くちゃたまらんだろう。どこか涼しいところへ行って来いよ」 「いえ、マスターが我慢しているのに、僕だけそんな事はできません」 「行水」という言葉が頭に浮かんだが、今月は水道代がピンチな事に気付き、その言葉は悲しく崩れ去った。 暑さを紛らわす為に、蒼星石と話をしようとしたが、どうにも話のネタが浮かばない。 そうこうしている内に、蒼星石がスッと立ち上がると、少し恥ずかしそうに言った。 「マスター、少しお見苦しい姿を見せてよろしいでしょうか?」 「何だ?まぁ構わないが・・・」 そう言うと蒼星石は靴を脱ぎ、白いニーソックスに手を掛けた。 「蒼星石?何してるの?」 「あまりに暑いんで、ソックスを脱ごうと思いまして」 そう言うと俺の見ている前でソックスを少しづつ脱ぎだした。突然の行動に俺は言葉が出なかった。 一気に、ではなく少しづつというのが何と言うか・・・色っぽかった。 「(落ち着け!これは孔明の罠だ!!)」 「ふぅ、これで少し涼しくなったよ」 心の中で必死に言い聞かせている内に、両足とも脱ぎ終えたらしく再び視線をやったときには既に蒼星石の素足が露になっていた。 普段は見ることの出来ない蒼星石の素足を凝視してしまった。 「さっきから僕の脚ばかり見てるけど、そんなに球体関節が珍しいの?」 「えっ?あ、まあそうだな。普通じゃ見られないしな」 気になってるのはその素足な訳で。幸い蒼星石はまだ気付いていないらしいが、もし気付かれたら何をされるか分かったものではない。 目を逸らそうと努力するが、やはり体は正直な訳で、気付くと脚に視線が行ってしまっていた。 「ふふ、まさかそんな事言って、実は脚を見てるんじゃないのかな?」 「そんな事あるかよ。ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」 思いっきり当たってます。 「でも恥ずかしくないのか?俺男なんだぜ」 「別に僕は人形だから、人間の男の人に見られても恥ずかしいとは思わないよ」 「そうなのか」 思いの他大胆な蒼星石に少し驚いた。蒼星石は何とも思っていなくても俺には何とも無くないから困る。 時刻は正午半。俺は寝転がりながら素足のまま昼食を作る蒼星石の後姿を見つめていた。 火を使っているためかさっきより気温が上昇している。 「ふぅ、暑いなあ」 昼食を作りながら蒼星石が呟く。温度計に目をやると、35℃を指していた。 蝉の声が遠くから聞こえるようになった頃、昼食が出来上がった。 蒼星石と昼食を取っているが、こう暑くては喉を通らない。 「ご馳走様」 「あんまり減ってないね。美味しくなかった?」 「暑いからラップしといて、後で食べるよ」 時刻は一時。先程よりほんの少し楽になったが、それでもまだ暑い。 蒼星石が団扇でパタパタと扇いでいる、蒼星石に当たり損ねた風が 蒼星石の匂いと共に俺に当たった。 暫くすると扇ぐのを止めてまたスッと立ち上がると、今度は胸元のリボンに手を掛けた。 「蒼星石、どうした?」 「ケープを脱ごうと思うんだ」 「なんと!!」 リボンをスルスルと解くと、ケープとリボンを丁寧に折りたたみ鞄に仕舞った。 ケープを脱いだ為、白いシャツとお洒落な黒いコルセット、それに蒼星石の綺麗な撫で肩が見えるようになった。 「はあ、やっぱりケープがないと楽だなあ」 「そ、そうなのか」 「肩が自由になるからね」 ソックスだけでなくケープまで脱いだだと!!落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ。 まだ慌てるような時期じゃないって仙道さんもいってるじゃないか。 蒼星石は何も考えていない!暑いから脱ぐんだからな! 「はあ、大分涼しくなったよ」 「それはようがす、ははは・・・」 落ち着け、言動がおかしくなってきている。それに視線が脚から腰に行っている。 腰!腰!腰! 足を崩して座っているから余計に腰が強調されている。それにケープとソックスは脱いでも 帽子を脱がないというのがまた何とも言えない。 「ちょっとマスター、何処見てるのさ」 「え?」 「さ、さっきから変なところに視線を感じるんだけど」 「いや、綺麗だなと思ってさ」 「ふふ、褒めても何も出ないよ」 ふう。これ以上ここにいると本当に蒼星石に何かしてしまうかもしれん。 暑いけど外に出て頭冷やすか・・・ 「でもこの格好中途半端だなあ」 「?」 「いっその事服も脱いじゃおうかな・・・ふふ」 ここで俺の意識は途絶えた。 「ちょっとマスター!起きてよ!」 「ん・・・ああ」 目を覚ますと心配そうな顔で見つめる蒼星石の姿があった。 「大丈夫?急に倒れるから心配しちゃったよ」 「服、全部着たのか」 「何言ってるの。僕は始めから服なんか脱いでないよ」 「でもさっきソックスとケープ脱いでて・・・」 「嫌だなあ。夢だよ、きっと」 そう言うと蒼星石は台所へ夕食の準備をしに行った。俺はというと、あれは夢だったのかと 疑っているうちに眠くなりそのまま眠りについた。 「ふふ、少し刺激が強すぎたかな・・・」 台所で人参を切りながら呟いた蒼星石の言葉は、深い眠りの途中の俺には聞こえなかった。 fin
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俺が部屋でテレビを見ていると蒼星石が遠慮がちな表情で入ってきた。 「あの、マスター・・・、初めての料理に挑戦してみたんだけど、食べてくれるかな?」 「ん?ああ、勿論だよ。」 俺がそう答えると、蒼星石は嬉しそうに台所へと駆けて行く。 料理なんだから、俺が台所へ行けば済む話なのだが・・・ そしてそんな疑問はすぐに解消された。 「はい!どうぞマスター!」 蒼星石の手には小さな皿が。 しかしその上にあるのは料理ではなく注射器だった。 「えっと・・・、これは何なんだ?」 「あ、ごめん。突然こんなの出されたらびっくりするよね。 これは僕の前のマスターが作ってた料理でね、各種高級食材を混ぜ合わせたものに 少量の○○○を加えた最高のコンソメスープなんだ。」 俺はただ呆然とするしかなかったが、蒼星石は構わずに説明を続ける。 「そしてこの料理は食べた人を成功にみちびくらしいんだ。ほら、前にマスターは 成功させたい仕事があるって言ってたし・・・」 「いや、確かにそうは言ったけども・・。、俺にこれをどうしろと?」 「あ、これね、血管から摂取するんだよ。画期的だよね。前のマスターはこれのこと 究極の料理だって言ってたよ。これで食の千年帝国を作るんだって。」 噂には聞いたことがあったが、これがそうなのか・・・ いや、今はそれよりも蒼星石を止めなければ・・・ 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」 「どうしたの?」 「俺は注射は苦手なんだ。そ、それにそんなの打って大丈夫なのか?」 「大丈夫、チクッとするだけだよ。」 いくら蒼星石の手作りの料理(?)とはいえ、さすがにこれは無理だ。 俺が後ずさりするのを見て蒼星石は潤んだ目をする。 「マスター・・・、食べてくれるって言ったのに。嘘だったんだね・・・。 僕、マスターのこと信じられなくなりそうだよ・・・。」 こんな顔されたら、断れるわけがない。俺は右腕を蒼星石の方に差し出す。 「ほら、食べるから。泣かないでくれよ、蒼星石・・・。」 「ほんとに?ありがとう・・・。マスター。じゃあいくよ。」 「あ、ああ・・・」 「おあがりなさい!マスター!」 グサァッッ! 「モ、モルスァ!!!」 何だこれは・・・、体に力がみなぎる・・・。 それに腕・・、いや、俺の体全体の筋肉が力強くなっていくのが分かる。 体格もさっきまでとは比べ物にならないくらい大きくなっている。 なぜか服もサイヤ人の戦闘服のように大きくなっている。 「マ、マスター・・・、どうだった・・・かな?」 「・・・・・・。」 俺は無言のまま立ち上がると蒼星石の方へ歩み寄る。 「え・・・、マスター・・・?な、なんだか怖いよ・・・。」 「美味しかったよ、蒼星石。ご褒美をあげよう。 さぁ、俺が抱っこするのを止められるかな?」 「う、うわぁっ!」 その夜は巨大な体で蒼星石を包み込むように抱きしめて眠った。 朝起きると、体は元に戻っていたが、伸びてしまった服はそのままだった。 そしていつの間にか蒼星石が俺のシャツの中に入り込んで眠っている。 蒼星石はシャツの首元から顔だけをぴょこんと出している状態だ。 ああ、可愛すぎる・・・、蒼星石が起きるまで寝顔を眺めてめていよう。 -完-
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夕刻、スーパーにて一人買い物をする男がいた。 蒼星石のマスターだ。手には買い物カゴをぶら下げてる。 マ:「えーと・・・頼まれてた買い物はっと・・・。」 蒼星石から渡された買い物メモに購入漏れが無いか目を通す。 大根・・・OK ニラ・・・OK キャベツ・・・OK 特売品の卵1パック・・・OK 特売品のトイレットペーパーOK ごま油・・・OK 寒天2パック・・・OK マ:「ん。」 特売品のギョウザの皮を買い忘れていた。 俺は食品コーナーに戻りギョーザの皮を1パック買い物カゴの中に放り入れた。 再びメモに目を通す。あとは・・・買い漏れはねぇみたいだな。酒は今回はいいか。 清算を済ますためレジに並んでる最中、ふと自分の横を見るとお菓子やら 菓子パンやらが陳列されているのが目に入った。 俺はその中から各種チューインガムが陳列されている棚に目をやる。 マ:「・・・。」 どれ、眠気覚まし用に一つ買っておくか・・・ 一つをカゴに放り込んだところで、ふと蒼星石の顔が浮かんだ。 蒼星石ってガムとかあまり噛んだこと無さそうだな・・・・ 甘そうなのを一つ見繕ってカゴに放り込む。 マ:「ただいまー。」 蒼:「おかえりなさいマスター。お仕事お疲れ様。」 マ:「出迎えありがとさん。風呂沸いてる?」 蒼:「うん、沸いてるよ。あ、買い物ありがとう。」 蒼星石が俺から買い物袋を受け取ろうとする。 マ:「いいよ、キッチンまで運ぶから。」 蒼:「今日はそんなに重いもの頼んでないから大丈夫だよ。ほら、渡してよ。」 俺に手を差し出す蒼星石。蒼星石の眼と表情は頑なだった。 マ:「? ああ。」 なんか釈然としないが俺はあっさりと蒼星石に買い物袋を差し出す。 蒼:「お仕事で疲れてるのに、お買い物頼んじゃってごめんね。」 蒼星石は受け取る間際ポツリとそう漏らした。 マ:「いや、全然かまわんよ。」 蒼:「僕がお買い物に行ければいいんだけどね。」 と蒼星石は伏せ目がちに言う。 マ:「なんかあったのか?」 蒼:「・・・・。」 マ:「仕事帰りの買い物なんて今まで何回もあったじゃねぇか。」 蒼:「うん、だから申し訳なくて。」 どうやら蒼星石は仕事帰りの俺に買い物を頼むことを心苦しく思っていたらしい。 しかし、こればっかりはしょうがないよな。蒼星石はドールだから買い物ができない。 マ:「・・・・。」 このことがこの子にとって大きな引け目になっているんだろうか。 マ:「へっへっへ。」 俺はニンマリ笑い、仕事用の鞄を玄関に放って、両手を使って蒼星石を買い物袋ごと抱き上げた。 蒼:「あ、あのっ、マスター?」 なんで抱き上げられたのかわからず蒼星石は慌てている。 マ:「労ってくれてありがとうよ。へっへっへ。凄く嬉しいよ。」 そして、なんともいじらしい。 蒼:「マスター・・・。」 蒼星石はじぃっと俺を見つめた。 俺はそのままキッチンへ向かった。 マ:「さ、一緒に買ってきた物整理しよう。」 蒼:「うん・・・。」 キッチンにて。 大根を蒼星石に手渡しながら マ:「だからな~、別にそんな苦になってねぇから。買い物ぐらいで。」 蒼:「うん・・。」 手渡された大根を冷蔵庫に収納しながら蒼星石はそう答えた。 マ:「むしろ蒼星石が家事やってくれるお陰で俺の負担だいぶ減ってるんだからさ。 世間の一人暮らしの男性に申し訳なく思ってるよ俺は。」 蒼:「うん・・。」 マ:「蒼星石。」 蒼:「?」 マ:「愛してる。」 ぼそっと言い放つ。 蒼:「え? あ、なに?」 マ:「じゃ風呂入ってくるよ。」 俺はスタスタとその場から歩き出した。 俺の背に蒼星石の声が掛かる。 蒼:「ねぇ、マスター、今なんて言ったの?」 二度も言えねぇっての。 風呂から上がり、晩飯を済まし、リビングのソファーの上でテレビも付けずホーッと一息ついてると、 蒼:「ねぇ、マスター。買い物袋からガムが出てきたよ。僕これ頼んだ覚えないけど?」 皿洗いを終えた蒼星石がガム二つを手に持ち訊いてきた。 マ:「ああ、俺のポケットマネーで買ってきたんだよ。紫のやつは蒼星石のためにな。」 紫色の包装紙、グレープ味のガムを蒼星石に勧める。 蒼:「いいの?」 マ:「ああ、黒い方頂戴。」 黒色の包装紙、俺用に買った眠気覚まし用のガムを受け取る。 蒼:「ありがとう! じゃあさっそくいただくよ。」 マ:「蒼星石、さすがにガム噛んだことあるか。」 蒼:「それぐらいあるよ。」 蒼星石は少し笑い、そう言うとガムの包み紙を取り払いガムを半分に千切った。 蒼:「ガム一枚じゃ僕には少し多いからね。半分だけどいる?」 マ:「お、ありがとう。」 蒼星石に半分に千切られた残りのガムを貰い口に放り込む。 マ:「蒼星石、おいで。」 自分の膝をポンポンと叩く。 蒼:「うん・・。」 少し照れくさそうに蒼星石は俺の膝に座った。 かみかみかみ・・・ しばし二人でガムの噛み心地を楽しむ。 蒼:「マスター、半分じゃ足りないでしょ。もう一枚あげるよ。」 マ:「いいのかい? 蒼星石の分無くなっちまうだろ。」 蒼:「こんなにたくさん僕には食べきれないから。」 そう言い蒼星石は一枚取り出すと包み紙をとって俺に差し出した。 マ:「ありがとう。」 口に放り込む。 かみかみかみかみ・・・ そしてまた二人でガムの噛み心地を楽しむ。 味もしなくなってきた頃、俺は何気なくガム風船を作り出しはじめた。 クチャクチャクチャ・・・ 舌でガムを伸ばし・・・ プクー。 なかなかのでかさのガム風船ができた。 蒼:「!」 マ:「?」 俺を見上げた蒼星石が何か凄い驚いている。 ぱすん。 マ:「くちゃくちゃ・・・どした?」 蒼:「なに今の? 風船みたいなのができてたけど?」 マ:「ガム風船がどうかしたか? もしかして初めて見るのか? どれ、くちゃくちゃ・・・」 ぷくー もう一回膨らませてみせる。 蒼:「わぁ、マスターってそんなこともできるんだ・・・・。」 もしかしてガム風船見るの初めてなのか。 ぱすん。 マ:「くちゃくちゃ・・・蒼星石も練習すればできるようになるよ。」 蒼:「ほんと? どうやってやるの?」 マ:「えーとだな、舌でガムを伸ばして・・・ガムに空洞を作る感じで。その空洞に息を吹き込むんだよ。」 うまく伝わったかな? なかなか説明に苦慮する俺。 蒼:「うーん、かみかみかみ・・・・・・・ふー・・・ふー・・・ふー! ふー!」 マ:「そんな強く吹き込まなくてもいいんだよ。舌をうまく使って空洞を作るのがポイントだから。」 蒼:「かみかみかみ・・・・ふー・・・ふー・・・・・・かみかみかみ・・・うまくいかないなぁ・・・。」 マ:「ふふふ・・・ぷく~。」 これみよがしにガム風船を膨らませてみせる。 蒼:「いいなぁ・・・。」 ぱすん。 マ:「舌遣いが甘いんじゃないかな。」 蒼:「舌遣いかぁ・・。かみかみかみ・・・・。」 一生懸命口の中で舌を動かす蒼星石。 蒼:「・・・・ごく・・・あ!」 マ:「どした・・・?」 蒼:「ますたぁ・・・僕ガム飲んじゃった・・! どうしよう!」 なにをそんなに慌てておるのだ。 蒼:「どうしよう・・・ガムって食べちゃ駄目なんだよね?」 マ:「あー、ガム飲み込んじゃったのかぁ。ご愁傷様。もう助からないよ。残念です。」 俺は神妙な面持ちでそう言った。 もちろん嘘だ。 蒼星石は怯えパニくりだした。 蒼:「えぇ~? どうしようどうしよう・・・そうだ! レンピカ!」 部屋の隅からレンピカがやってきた。 マ:「?」 蒼:「レンピカ、僕の口から中に入ってガムを取ってきて!」 えぇ!? 蒼星石の口へ迫るレンピカ。 マ:「うおおっと!ストーップ!」 蒼:「もご!?」 俺は手で蒼星石の口を覆い、レンピカの進入を防いだ。 蒼:「もごもご・・ふぁふたぁ・・・?」 マ:「うそだって。ガム飲み込んだぐらいじゃ死なないよ。」 蒼:「もご・・ほふほう?」 俺はレンピカに注意し、ゆっくり蒼星石の口から手を離した。 蒼:「でもおじいさんからガムは飲み込まないで口から出しなさいって教わったけど・・・?」 マ:「食べても無害だよ。全然問題ない。喉越しが悪いし栄養も無いから飲み込まないだけだよ。」 蒼:「あ、そうなんだ。・・・なんだ・・・・って、ならなんであんな嘘ついたのさマスター! ビックリしたじゃないか!!」 マ:「いや~、めんごめんご。」 たかがガム飲みこんだぐらいで狼狽しだす蒼星石がなんとも・・・・ 蒼:「もう!」 マ:「でも喉に詰まらなくてよかったよ。」 蒼:「ふんだっ。」 プイっと顔を逸らす蒼星石。 ほっぺが膨らんでる。ぷく~って。ガムは膨らまなかったがね。へっへっへ。 マ:「くちゃくちゃくちゃ・・・ぷく~♪」 ご機嫌斜めになった蒼星石は俺の膝から降り立つと別の部屋へ行ってしまった。 そしてしばらくすると 蒼:「ねぇ、見てマスター!」 マ:「ん?」 後ろを振り向くと蒼星石が嬉しそうにこっちを見ていた。 マ:「どした?」 蒼:「へへへ、見てて。」 そう言うと蒼星石は口をもごもごと動かすと・・・ ぷく・・ 小さいながらもガム風船を膨らませることができるようになっていた。 マ:「おお、できるようになったのか。」 ぷちん・・・ 小さなガム風船が割れて蒼星石の唇に張り付く。 蒼:「うん! まだまだ小さいのしかできないけどね。」 俺の見えないところで練習してたんだな。頑張りやさんめ。 次の日 マ:「たらいまー。」 ・・・・。 ん、出迎えがない。 蒼:「ますた~。」 少し遅れて洗面所の方から蒼星石の情けない声が聞こえた。 マ:「どした?」 洗面所に向かうと・・・ マ:「あらー・・・。」 顔中にガムが張り付いてる蒼星石がいた。 蒼:「うう、大きい風船作れたんだけど割れた瞬間顔に張り付いちゃって、取れないんだ。」 マ:「もう、なにやってんだよ。」 俺は蒼星石の顔についたガムを取ってやる。 蒼:「前髪についちゃったのが全然取れないんだ。」 前髪に付くなんていったいどれぐらい膨らませたんだ? 蒼:「どうしよう・・・。」 と今にも泣き出しそうに蒼星石は言った。 マ:「ちょっと待ってろ。」 俺はキッチンに向かうとオリーブ油を手に取り蒼星石が待つ洗面所に戻った。 蒼:「うう・・。」 マ:「じっとしてなさい。」 俺はオリーブ油を手のひらに垂らし、ガムが付着した蒼星石の前髪に擦り込んだ。 蒼:「あ、ガムが溶けてく・・・。」 洗面所の鏡に映る自分の前髪のガムが溶けてく様を不思議そうに見つめる蒼星石。 マ:「ガムは油に溶けるんだよ。」 ガムとチョコレートを一緒に食べるとガムが溶けて無くなってしまうのは有名だが その原因はチョコに含まれるカカオバターの油脂がガムを溶かしてしまうからだ。 マ:「うし、とれた。」 蒼:「わぁ、ありがとう。マスター。あやうく前髪切らなくちゃ駄目かと思ったよ。」 マ:「へへ、良かったな。ところで風呂沸いてるか?」 蒼:「うん、沸いてるよ。」 マ:「じゃあ、一緒に入るか。」 蒼:「えぇっ、な、なんで急に・・・?」 マ:「蒼星石、頭にオリーブオイル付いたままじゃまずいだろ。トリートメントせにゃ。」 蒼:「それはそうだけど、駄目! 僕一人で入る!」 マ:「いいじゃん。俺ら恋人同士だろ?」 蒼:「駄目!恥ずかしい!」 マ:「でも、一人で風呂入れるのか?」 蒼:「は、はいれるよ。子供じゃあるまいし・・・。」 マ:「ほいほい。じゃお先にお風呂どうぞ。レディーファーストです。」 蒼:「れ、れでぃ? あ、ありがとう。」 そそくさと蒼星石は衣類を取りに足早に去った。 蒼星石、マスターとも風呂から上がり夕食後、リビングにて。 蒼:「せっかく風船大きく膨らませることできるようになったのにガム無くなっちゃったよ。」 マ:「じゃあ俺のガム使う?」 蒼:「え、いいの? ありがとう。」 俺は胸ポケットから眠気覚まし用のガムを取り出した。 一枚取り出すと半分に千切って蒼星石に渡し、残りを口に放り込む。 蒼:「へへへ、見ててね。」 と嬉しそうにガムを口に放り込んだ蒼星石だったが・・・ 蒼:「ひゃ・・・!なにこれ・・・? 辛い!」 マ:「ありゃ、眠気覚まし用に買っておいたやつだが辛すぎた・・・?」 蒼:「ふあ・・・ますたぁ、からいよぅ・・・」 途端に涙目になる蒼星石。 俺は手を蒼星石の口の前に構えた。 マ:「ほら、ペッしな。」 蒼:「マスター、ごめんなさい。」 蒼星石は堪らずガムを俺の手に吐き出した。 蒼:「うがいしてくる・・・!」 と蒼星石は口元を覆い、洗面所に駆けていった。 マ:「ありゃりゃ・・・。」 俺の手の平には蒼星石の噛みかけのガムが・・・ じー・・・ いかんいかん、何を考えているのだ。首を左右に振る俺。 ガムをテッシュに包みゴミ箱に放ると洗面所に向かう。 マ:「蒼星石、大丈夫か~? ごめんよ。あのガム、眠気覚まし用だから辛くて刺激的なんだよ。悪かった。」 蒼星石はうがいしながら愚痴る。 蒼:「うう、もうガムはこりごりだよ。」 マ:「そうか。」 蒼:「やっぱりお口が寂しいときはガムなんかよりあれだね・・。」 マ:「なに? あれって。」 蒼:「ちょっと屈んで。」 マ:「?」 俺は蒼星石の目線まで身をかがめる。 蒼:「これ。」 ちゅ・・・
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ざばっ 「ふうう・・・・」 その日蒼星石は洗面器の風呂に入っていた。 がらっ 「?!」 ずるっ ばちゃーーーーん マ・蒼星石? 蒼・ごぼごぼ・・・・ごふっふぁ・・・・ふ・・た・・あふぁふふぇふえ・・・・ 蒼・はっマスター? マ・蒼星石! どうやら蒼星石はマスターに助けてもらっていたのだ 蒼・ハっ服きてる・・・・・・・まさか・・・ 翠・蒼星石!! 蒼・翠星石?なんで・・・・・ マ・大変だったそうだよ服きせるのが・・・ 蒼・よかった・・・・・・ マ・もう落ちるなよ 蒼・はあい・・・・ そして・・・・ 翠・そーせーせきっ一緒に寝るですよっ! 蒼・え・・・えええ?う・・・・うん そして二人はおんなじ鞄で寝たという・・・・ 終わり 続きはこんど
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☆君の蒼星石のレベルはどれだ レベル1:「マスター、もう9時ですので寝ますね、おやすみなさい」 レベル2:「もうこんな時間だから僕は寝るね、おやすみなさいマスター」 レベル3:「マスター、こんな時間まで起きてちゃ体に悪いよ。もう寝ようよ」 レベル4:「うん、本当は一緒の時間に寝たかったんだけど・・・おやすみなさいマスター」 レベル5:「ううん、もう少し・・・マスターと一緒の時間に寝たいから・・・それまでがんば・・・zzZ」 レベル6:「マスターもう寝なきゃ体に悪いよ、ほら」 マスターの腕を引っ張って布団まで連れていく レベル7:「マスターもう寝なきゃ体に悪いよ、ほら」 マスターの腕を引っ張って布団まで連れていき一緒に布団に入る レベル8:「マスター、今日も一緒に寝ようか」 レベル9:「マスター、寝ようよ」 レベル10:「僕はもう寝るけどマスターはどうする?」 一つしかないマスターの反応を見て楽しむ ☆蒼星石依存症進行度チェック LV0 男? LV1 男装モエス LV2 「蒼」に凝り始める LV3 すべてがいとおしい LV4 ショートヘアーしか萌えなくなる LV5 夢に蒼星石 幻覚に蒼星石 走馬灯にまで蒼星石 LV.MAX 待ち行く人々が性別問わず蒼星石に見える